今日のスクラップ

インタビュー

さよなら歌舞伎座:三代の女形/下 中村児太郎 ◇遊びに通ううち俳優の自覚 新・歌舞伎座で大きな踊り見せたい 今回登場の中村児太郎は六代目だ。初代は曽祖父の父、五代目中村歌右衛門。その後、曽祖父の五代目福助、その弟の六代目歌右衛門、祖父の中村芝翫…

インタビュー

さよなら歌舞伎座:三代の女形/上 中村福助 ◇「助六」で始まり「助六」で終わる―「男女道成寺」が転機に 女形の中村福助は現・歌舞伎座の最後を飾る「御名残四月大歌舞伎」の第3部「助六(すけろく)由縁(ゆかりの)江戸桜(えどさくら)」で白玉を演じて…

劇評

歌舞伎:御名残四月大歌舞伎(歌舞伎座) 人気演目と豪華な顔がそろう 現・歌舞伎座の最終公演。人気演目と豪華な顔がそろった。 〜中略〜 3部は「実録先代萩」から。芝翫の浅岡が若殿、亀千代(千之助)と国元から訪ねてきたわが子、千代松(宜生)へのそ…

インタビュー

さよなら歌舞伎座:三代の女形/上 中村芝翫 現・歌舞伎座は4月いっぱいで劇場としての役割を終え、建て替えに入る。東京の成駒屋は中村芝翫、福助、児太郎の親、子、孫が現役女形として活躍する稀有(けう)な家だ。三代の目を通し、戦後の再建からこれま…

劇評

歌舞伎:染模様恩愛御書 細川の血達磨(日生劇場) ◇恋情の一途さ出した染五郎 男性同士の愛とあだ討ちの顛末(てんまつ)を描く。三世河竹新七作、今井豊茂脚本、奈河彰輔演出。2006年に大阪で復活上演された作品で、東京では初上演。 武士の大川友右衛…

インタビュー

歌舞伎:菊五郎があたり役、弁天小僧 より派手な五代目の方で??歌舞伎座の3月公演 尾上菊五郎が歌舞伎座(東京・銀座)の3月公演の2部「弁天娘女男白浪(めおのしらなみ)」で、あたり役の弁天小僧を演じている。菊五郎は「今の歌舞伎座で演じるのは、お…

インタビュー

Crossroads:菅原伝授手習鑑 仁左衛門が十三代目、得意の丞相 ◇歌舞伎座で上演 人形浄瑠璃から歌舞伎化された義太夫狂言の名作「菅原伝授手習鑑(てならいかがみ)」の中で、菅原道真の変転に焦点をあてた「加茂堤」「筆法伝授」「道明寺」の上演…

インタビュー

小野竹喬展:生誕120年を記念 四季の自然見つめて 坂東玉三郎さんが語る ◇東京国立近代美術館であすから 「奥の細道」などをテーマに、四季折々の日本の風景をあたたかな色遣いで詩情豊かに描いた日本画家、小野竹喬(ちっきょう)。生誕120年を記念し…

インタビュー

楽屋ばなし:中村富十郎、鷹之資 「石橋」で親子共演 歌舞伎座3月公演の3部で、中村富十郎が「石橋」を上演する。能の「石橋」の翻案である。 中国の清涼山を訪れた寂昭法師が石橋を渡ろうとすると、童子が現れて止める。対岸は文殊菩薩(ぼさつ)のいる浄…

コラム

憂楽帳:思い出の歌舞伎座 歌舞伎専門の劇場「歌舞伎座」(東京都中央区)が今年4月の公演を最後に建て替えられる。数年後、新しい建物となる予定だが、歌舞伎座で舞台写真を撮り続けて約半世紀に及ぶ舞台写真家、福田尚武さん(65)は感慨ひとしおだ。 …

劇評

歌舞伎:十七代目勘三郎二十三回忌追善「二月大歌舞伎」(歌舞伎座) ◇心情の変化の表現巧みな勘三郎 先代勘三郎の追善にふさわしく、古典から新作までが並んだ。 昼の最初が舞踊劇「爪王(つめおう)」(戸川幸夫作、平岩弓枝脚色)。勘太郎の狐(きつね)…

インタビュー

歌舞伎座:建て替え前、正月公演「車引」で大顔合わせ 歌舞伎座(東京・銀座)正月公演の夜の部で「車引」が上演されている。中村芝翫の桜丸、中村富十郎の時平、松本幸四郎の松王丸、中村吉右衛門の梅王丸。今年、建て替えが始まる現・歌舞伎座の最後の正月…

劇評

歌舞伎:寿 初春大歌舞伎(歌舞伎座) 豊潤な味わいがある芝翫らの「車引」 建て替え年に入った現歌舞伎座の年初を飾る公演。 昼は橋之助の五郎、染五郎の十郎、福助の静御前による舞踊「娘七種(ななくさ)」から。それぞれが役に似合った。 続いて「石切梶…

劇評

歌舞伎:旭輝黄金鯱(国立劇場) 盗賊金助の変化からっと見せた菊五郎 ◆旭輝黄金鯱(あさひにかがやくきんのしゃちほこ) 名古屋城天守閣の金の鯱を盗んだと伝えられる柿木金助を主人公にした並木五瓶の「けいせい黄金〓(しゃちほこ)」を書き換えた作品。…

劇評

歌舞伎:「外郎売」「傾城反魂香」「大津絵道成寺」(国立劇場) ◇團十郎が実直で不器用な又平を好演 坂田藤十郎と團十郎が顔を合わせるほか、それぞれの得意演目をつとめている。 最初が、歌舞伎十八番物を團十郎が復活した「外郎売(ういろううり)」。團…

予習・復習

more楽:「仮名手本忠臣蔵」人気の秘密 史実に「虚」の味付け 歌舞伎きっての人気演目であることから、興行の特効薬の意味で「独参湯(どくじんとう)」と称される「仮名手本忠臣蔵」。10月は名古屋・御園座(25日まで)、11月は東京・歌舞伎座(…

インタビュー

楽屋ばなし:藤間大河 10月歌舞伎座で初お目見得 尾上松緑の長男の藤間大河が10月歌舞伎座・昼の部の「音羽嶽だんまり」の稚児音若役で初お目見得する。大河は3歳の幼稚園児。松緑は「『舞台に出るんだよ』と言ったら『はい』と答えましたが、どこまで…

劇評

歌舞伎:九月大歌舞伎(歌舞伎座) 変化をきかせる吉右衛門の光秀 昼の最初が「竜馬がゆく 最後の一日」(司馬遼太郎作・演出、齋藤雅文脚本・演出)。3部作の最後。竜馬(染五郎)が暗殺される一日に、その人生を凝縮させて描く。染五郎、松緑、芝のぶ、男…

劇評

歌舞伎:石川五右衛門(新橋演舞場) ◇見せ場次々、海老蔵の魅力存分に 安土桃山時代の大盗賊を主人公にした新作歌舞伎。樹林伸の作、川崎哲男と松岡亮の脚本、奈河彰輔の監修、藤間勘十郎の振り付け・演出。 伊賀で忍術を会得した五右衛門(海老蔵)は、聚…

夏の風物詩

more楽:夏の歌舞伎の定番・怪談 怨念の怖さ、ゾクッと 夏に多く上演される歌舞伎演目に怪談物がある。冷房のない時代に暑さで遠のきがちな客足を芝居に向けるための、飽きさせないようにする工夫だ。冷房完備の現代にも怪談物の伝統は受け継がれ、8月…

劇評

歌舞伎:コクーン歌舞伎「桜姫」(シアターコクーン) 初々しさと大胆さ交じる七之助 鶴屋南北作の「桜姫東文章」の串田和美演出による上演。 吉田家の息女の桜姫(七之助)は、僧の清玄(勘三郎)と心中をはかって亡くなった白菊丸(七之助)の生まれ変わり…

劇評

歌舞伎:七月大歌舞伎(歌舞伎座) 心の揺らぎを見せる玉三郎 昼夜で玉三郎と海老蔵による泉鏡花の2作品が上演されている。 〜中略〜 夜が「天守物語」(戌井・玉三郎演出)。富姫(玉三郎)は白鷺城の天守に住む魔物。前半では富姫と妹分の亀姫(勘太郎)…

インタビュー

歌舞伎:中村七之助が「桜姫」で主演 大竹しのぶが演じた現代劇の桜姫と連続上演 ◇二重、三重のおもしろさある−−シアターコクーンで 中村七之助が東京・渋谷のシアターコクーンで上演中の歌舞伎「桜姫」(串田和美演出)で、桜姫を演じている。【小玉祥子】 …

インタビュー

歌舞伎座:泉鏡花の「海神別荘」「天守物語」 玉三郎と海老蔵の共演で―7月 ◇「演じていても清涼感ある」 7月の歌舞伎座(東京・銀座)で泉鏡花の2作品が上演される。坂東玉三郎と市川海老蔵が共演する。 昼の部が「海神別荘」(戌井市郎、玉三郎演出)。…

インタビュー

楽屋ばなし:市川男女蔵 「矢の根」の五郎を初役で 7月の東京・国立劇場「歌舞伎鑑賞教室」で、市川男女蔵(おめぞう)が「矢の根」の五郎を演じる。市川團十郎家の「家の芸」である「歌舞伎十八番」の演目。初役だが「市川を名のらせていただく者として、…

劇評

歌舞伎:六月大歌舞伎(歌舞伎座) 手前勝手な青年活写した仁左衛門 幸四郎、染五郎、金太郎の高麗屋、芝翫、福助、児太郎の成駒屋、仁左衛門、孝太郎、千之助の松嶋屋、東蔵、松江、玉太郎の加賀屋。四家の三代が顔をそろえるのが珍しい。 昼の最初が魁春の…

劇評

歌舞伎:五月大歌舞伎(新橋演舞場) 久六の変化巧みに見せる吉右衛門 恒例の吉右衛門中心の歌舞伎公演。 昼は「金閣寺」から。不気味さ、気短さ、色気を時々に見せる吉右衛門の大膳が魅力的。芝雀の雪姫は大人の色香を漂わせ、夫を守ろうとする強さもある。…

インタビュー

Crossroads:6月の歌舞伎座、注目の芝居二つ ◇仁左衛門が一世一代で与兵衛役 ◇染五郎の長男が松本金太郎を襲名し初舞台 6月の東京・歌舞伎座で、俳優にとって画期となる二つの芝居が上演される。一つは昼の部の「女殺油地獄」。片岡仁左衛門が主…

劇評

歌舞伎:五月大歌舞伎(歌舞伎座) 強欲でユーモラスな菊五郎の道玄 昼の部は「暫(しばらく)」から。海老蔵の権五郎は車鬢(くるまびん)がよく映り、錦絵から抜け出たよう。おおらかな十八番物の世界が広がる。翫雀の震斎がいい味わいだ。左團次の武衡。 …

三人の内蔵助

Crossroads:元禄忠臣蔵 3人が内蔵助を演じ分け ◇幸四郎、團十郎、仁左衛門 歌舞伎座で通し上演 実録物の忠臣蔵の傑作「元禄忠臣蔵」(真山青果作)が3月の歌舞伎座(東京・銀座)で通し上演されている。昭和の新作ながら、松竹が昨年11月に実…