宇宙飛行士野口さんのご趣味



以前、こちらで見たのですが。
野口さんがシャトルから首相と対談をした際に、扇子を持っていたということで。
写真は不鮮明ですが、かなり立派な扇子だなー、ということは思っていたのですけど。
今日の新聞を読んでいて、謎(?)が解けました。

スペースシャトル:宇宙遊泳、モデルは能 手元の扇は「日本の心」−野口さん語る
日本の心を宇宙で披露したかった−。スペースシャトルディスカバリー」に搭乗した野口聡一・宇宙飛行士(40)が毎日新聞との単独インタビューに応じた。飛行10日目の8月4日、日本の子どもたちと交信した際、手元のマイクを飾った扇は、野口さんの趣味の能で使われる「天女扇(てんにょせん)」だった。野口さんはインタビューの中で「船外活動(宇宙遊泳)の体の使い方に、能の舞を参考にした。『天女』は、アイリーン・コリンズ船長を表現したかった」などと話した。
野口さんは91年に、民間就職したころから、能に興味を持つようになったという。「祖父が京都で暮らし、先祖は京都で扇屋を営んでいた」という。
96年に宇宙飛行士になり、船外活動の訓練が始まると、能面をかぶって優雅に舞う能の身のこなしへ関心が移った。「重装備の宇宙服を着た船外活動では、体をいかに効率的に使うかが重要になる。宇宙服のヘルメットのように能面をかぶった視野の狭い中、四方に柱が立つ小さな舞台で滑らかに舞う能の動きが参考になった」
野口さんは今回の飛行で、計約20時間に及ぶ3回の船外活動に取り組んだ。国際宇宙ステーションの部品交換など作業を次々と成功させた裏側に、日本の伝統芸能が生かされたようだ。
扇は、「中啓(ちゅうけい)」と呼ばれる赤地に金色の花が描かれた華やかな一品。米国で訓練中だった野口さんが父幹夫さんに依頼し、京都市内の扇専門店で買い求めたものという。
「約700年前に観阿弥世阿弥が生んだ日本の心や芸術が、長い時間を経て、宇宙という舞台で生かされたと思う。あの扇は、その象徴だったのです」
次世代を担う日本の子どもたちへメッセージを求めたところ、色紙に「大きな夢は、長い時間をかけても実現する価値がある」と記した。【永山悦子】
毎日新聞 2005年9月29日 東京夕刊)

かなり長いけれど、全文引っ張ってしまいました(汗)。
お能のことは正直ほとんどわかっていないんですが…*1

「重装備の宇宙服を着た船外活動では、体をいかに効率的に使うかが重要になる。宇宙服のヘルメットのように能面をかぶった視野の狭い中、四方に柱が立つ小さな舞台で滑らかに舞う能の動きが参考になった」

って凄いですねぇ。感動すらしてしまいます。
最新の技術と日本の伝統が結び付くなんて、体験された御本人でない限り、思い付かないことですね。

*1:最近ようやく『花よりも花の如く (1) (花とゆめCOMICS)』で、基本的なことが少しはわかってきたかな、という程度。