はてさて…

歌舞伎座:日本建築学会、保存の要望書を提出
東京都中央区歌舞伎座の建て替えを巡り、日本建築学会(村上周三会長)は歌舞伎座の大谷信義社長と中央区の矢田美英区長あてに「歌舞伎座の保存に関する要望書」を提出した。
歌舞伎座の現在の建物は、第二次大戦末期の空襲でそれまでの建物が被災した跡に、1950年に完工、翌51年開場した。同社は昨年11月、「機能性やバリアフリーなどの観点から不十分な点が多い」として2年程度の準備期間の後、3年程度で建て替えることを表明した。
これに対し建築学会は、現在の建物が▽東京美術学校(現・東京芸大)の教授を務めた岡田信一郎氏と吉田五十八氏による意匠が生かされていること▽近代化を続けた銀座の都市景観の中で日本の伝統を伝えるランドマークとして親しまれてきたこと−−などを挙げ、保存の必要性を指摘。2002年に国の登録有形文化財に登録されたことを踏まえての改修を求めた。【手塚さや香

毎日新聞 2006年5月8日 東京夕刊

という記事を見付けたのですがね。
実際にこの“要望書”なるものが提出されたのがいつなのかが具体的に書いていないのと、他のメディアで目にしたことが無いのとで、少々びっくりしました。
と…今検索してみましたところ、『ƒoƒi[』のトップページに、4月19日に提出された要望書の内容がリンクによりPDFファイルで見ることが出来るように更新された旨が記されていました。実際に開いてみると、書類は18日付けになっていますね。


先日、久々に演舞場に行って、色々な点で歌舞伎座と比べている自分がいました。
席はゆったりしていて3階席でも快適(笑)。エスカレーターもあり、足腰が不自由な方にも利用しやすいなと。*1
でも例えば歌舞伎を観たことの無い人って結構“歌舞伎座あっての歌舞伎観劇”という図式があると思うんですよ。実際私の友達もそういう感じですし。
もっと言ってしまうと、今月、福助丈が『道成寺』をお勤めになられているのが歌舞伎座だったら…。「歌舞伎を観てみたい」発言をした友達、縄付けて引っ張ってでも連れて行っていたと思います(笑)<友人の分の切符代は出せないけど(苦笑)。でも演舞場だったので、声を掛けるのすら止めたという密かな経緯がありまして。


歌舞伎座ではないから、ということで芝居の質が落ちる、ということは無いでしょう。
でもやっぱり“同じ演るなら歌舞伎座で…”という気持ち、少なくとも私にはあります。
それも“今のあの歌舞伎座で”ということです。
どうしても全面的に建て替えという形でないと、施設の充実などは図れないとは以前より言われていたことですが。
今回のこの要望書を受けて、また違った方向に動いてくださると嬉しいんですけどね…。

*1:ただ2階から3階へのエスカレーターは無いんですよね…。エレベーターがある訳でもないですし。