写真集


十八代目中村勘三郎襲名記念写真集

十八代目中村勘三郎襲名記念写真集

十八代目中村勘三郎襲名記念写真集

勘三郎丈と篠山紀信氏がゲストの『NEWS23』で見たのが最初だったのかなぁ、この写真集の内容についてとか色々。
行動範囲内の大きな本屋に置いてなくて(『新しい勘三郎―楽屋の顔』なら1冊だけずっとあるんだけど…未だ踏ん切りつかず未購入)どんなものか一通り見てみたくて仕方なかったもの。
で、今日買い出しに行って、自由時間(苦笑)に入った本屋に思いがけず置いてあって。
中ぱらぱら見て
「うーむ、これは噂に違わず…。」
と。
“止まっている写真は1枚も無い”とかいう話でしたが、それもさることながら視点が面白い写真が多いなと。一番面白いのは『道成寺』かな。
あと…最初から見ていって、思わず
「ぎゃー!」
となったのが…。えぇすみません、去年の九月の『一本刀』です、福助丈のお蔦がちょいと写ってるんですー。
あと「…流石篠山紀信…。」なんて思ったのが、「これは玉さんの写真集ですか?」(笑)と突っ込み入れたくなっちゃうほどの玉三郎丈の写真の多さ。襲名狂言での絡みが多かったから、当たり前と言えば当たり前なんだけど…。『籠釣瓶』なんて玉さん主の写真満載でびっくり。でもこれは八ツ橋の美しさをハッキリと示すことによって、次郎左衛門が何故人生狂わせちゃったか、というのを現しているってことでしょう。実際、この狂言の写真の配置の仕方は、他とは違ってるし。基本的に見開き若しくは1ページ1枚というのは変わらないのだけど、勘三郎丈と玉三郎丈のバラの写真を見開きで左右に置いて対比させている、という感じ。
ちなみに『研辰』には、海老反ってるおよしちゃん、民衆をあおるおよしちゃん、なんてのが載ってます(笑)。
と、まぁ、他の役者さんも当然写っている訳ですけど。
全体通して見て、やはり勘三郎丈って凄いなぁ、と改めて思いました。
愛嬌、恐怖、人情、粋、壮絶、可憐…言葉に纏まり無いけど、およそ一人の人間とは思えないような“広さ”。
対して、己の表現力の乏しさに歯噛みしちゃうぞと(失笑)。
ともあれ、これはお買い得の一冊と言えましょう。*1

*1:そして紀信センセイと言えばやはり『桜姫』初日にバシバシ撮っていた写真は一体どうなったのかというのが気になり…(苦笑)。