残念です。


訃報:尾上松助さん59歳=歌舞伎俳優
 敵役から老け役、三枚目まで、よく通る声と的確な演技で脇役の要として活躍した歌舞伎俳優、六代目尾上松助(おのえ・まつすけ、本名・井上真一=いのうえ・しんいち)さんが26日、がんのため亡くなった。59歳。葬儀は未定。自宅は東京都中央区銀座7の14の6。喪主は妻盛恵(もりえ)さん。新橋演舞場の11月公演「児雷也豪傑譚話」で仙素道人を演じたのが最後の舞台となった。
 新派の名脇役であった春本泰男を父に生まれ、二代目尾上松緑の部屋子となり、尾上緑也を名乗って1954年に初舞台を踏む。子役時代は、テレビドラマ「赤胴鈴之助」の鈴之助役で活躍。舞台化でも主演を務めた。尾上菊五郎劇団に所属し、71年に二代目尾上松鶴を襲名。90年5月に歌舞伎座伽羅先代萩」の荒獅子男之助と「御所五郎蔵」の五郎蔵で六代目松助を襲名した。
 「助六」の通人、「忠臣蔵六段目」の源六、「魚屋宗五郎」の三吉などで秀逸な演技を見せた。長男の松也さんは若手花形として活躍中。妻は元新派女優の河合盛恵さん。弟の大谷桂三さんも歌舞伎俳優。
毎日新聞 2005年12月27日 3時00分

実は今日の歌舞伎座昼夜入れ替え時に、亡くなったらしい、という話を聞いていました。
かなり確かな筋からの話だったので間違いの無いことだとは思っていたのですが、帰宅してネットニュース等を見ても上がっていなかったので、間違いであって欲しいと思っていたのですが。
二仕事ほど終えて、残り一仕事がちょっと頭を使う内容なので捗りが悪くなってきたために一旦切り上げて休もうと思い、最後にもう一度、とニュースを覗いてみたところ残念ながらやはり事実だったということで。


歌舞伎を観始めてから日が浅いですし、とにかく色々な意味で“狭い”観方しかしてきませんでしたので、恐らく先月の『児雷也』の仙素道人が私が拝見した最初で最後だったのではないかと思うのですが。*1
どちらかと言うと“松也くんのお父様”という認識の方が強かったです。御病気をされていて、復帰された、というのが先月の『児雷也』という意識でおりましたし。
いつもの通りの遠い席でしたが、児雷也綱手を導いた導師、というお役はとても力に満ちたものでした。ただ、何か不思議な印象を受けたことは確かで。間違いでしたらこれ以上の失礼なことはありませんが、“最後の輝き”といったものではなかったかという気がします。
松也くんは今年二十歳になったばかりですし、お心残りはとても沢山おありだったと思います。
御冥福を心よりお祈り致します。

*1:あれ? 去年の海老蔵襲名時の『助六』の通人でしたっけ? …というような程度の認識しか持ち合わせていない私です。→確認してみました。やはりあの“ヨン様”はそうでしたね。