劇評

歌舞伎:元禄忠臣蔵〔第二部〕(国立大劇場) 真実語れぬ内蔵助を藤十郎が好演
連続3カ月上演の2カ月目は「伏見撞木町」「御浜御殿」「南部坂雪の別れ」の上演。真山青果作。真山美保演出。織田紘二補綴(ほてつ)・演出。大石内蔵助坂田藤十郎
「撞木町」。遊郭で遊びほうけているかに見えた内蔵助は、浅野本家の家臣、進藤(彦三郎)から、意図と反する浅野家再興への動きを知らされた時に揺れ、主税(愛之助)にあだ討ちの決意を打ち明ける時に本心を見せる。藤十郎の柔らかさから厳しさに転じる変わり目が見どころだ。秀太郎の遊女浮橋が好演。
  〜後略〜
毎日新聞 2006年11月22日 東京夕刊

写真は「南部坂」より内蔵助(藤十郎)、瑤泉院時蔵)。