劇評

歌舞伎:蓮絲恋慕曼荼羅(国立小劇場) 幼さの残る豊寿丸を段治郎が造形
◇蓮絲恋慕曼荼羅(はすのいとこいのまんだら)
昨年度の「国立劇場開場四十周年記念歌舞伎脚本募集」入選作の舞台化で、「中将姫伝説」に材を取った新作歌舞伎。森山治男作、石川耕士・坂東玉三郎演出。
右大臣藤原豊成(門之助)の娘、初瀬(玉三郎)に腹違いの弟、豊寿丸(段治郎)は激しい恋をしかける。行く末を危ぶんだ豊成の後妻で豊寿丸の母、照夜の前(右近)の陰謀により、初瀬は雲雀山に追いやられ、命を狙われる。
装置のほとんどない傾斜のついた構成舞台で、照明と間仕切りにより、場面が変化する。音楽は琵琶、笛、琴主体で、上演時間は2時間強。歌舞伎としては異色の公演形式だが、こうした形態もあってもいいだろう。
  〜後略〜
毎日新聞 2007年3月19日 東京夕刊

写真は初瀬(玉三郎)と豊寿丸(段治郎)。*1

*1:段様が美しい!