2008年2月まとめ



16日 歌舞伎座(初代松本白鸚二十七回忌追善・二月大歌舞伎):3階2列中央
     昼の部 『小野道風青柳硯』 『車引』 『積恋雪関扉』 『仮名手本忠臣蔵・七段目』
25日 歌舞伎座(初代松本白鸚二十七回忌追善・二月大歌舞伎/千穐楽):3階東1列10番台後半
     夜の部 『寿曽我対面』 『口上』 『熊谷陣屋』 『春興鏡獅子』


《今月のいちばん》
なんと言っても『関の扉』ですよ…。残念ながら1回しか拝見出来ませんでしたが、本当に何度も観たかったです。
前回上演時*1の時と墨染のお化粧が違うな、と思いながら観ていたのですが、終わってから写真*2確認して間違いではなかったなと。口紅が今回かなり黒に近い色になっていたのですよね。“人で無いもの”を強調している、ということだったのでしょう。
“二子乗舟”の片袖を他の遊女との起請ではないか、と問うたところから特にぐっと引き込まれて、最後まではあっという間。本当に素敵な一幕でした。


そして12月分の千代に続いて今回も五代目福助丈のお写真から1枚。『関の扉』の小町姫。
見辛いですが写真の下に赤文字の印刷で大正八年五月と入っています。歌舞伎座で上演された時のものとありますが、衣装の柄が現在のものと違いますし、特にこれといった特徴も無い写真なので演目が入っていなければそれと気付かなかったですねきっと…。*3
ちなみに昔のお写真を見ていて思うのは、“このお役はこういう柄の衣装”というものがかなりありますが、それとは違う柄や意匠のものが結構多いなぁ、ということ。本で見掛けた慶ちゃんの揚巻の衣装も、今は見ないような意匠の俎板帯でしたし。『由縁江戸桜』でないと違う意匠になるとかいうことなのでしょうか…。単に“揚巻”としか書いてなかったので、演目名まではわからないんですが。
大正八年というと慶ちゃんは19歳…。可憐な中にも何か風格めいたものを感じるこのお写真を見るにつけ、どのような小町姫であったのか、動くお姿を拝見してみたい、と強く思います。

*1:2004年11月

*2:携帯に待受として保存してあるもの(笑)。

*3:“特にこれといった特徴も無い”と書きましたが、道行の姿という“特徴”はありますので、多分何も書かれていなかったら「静かな?」くらいに思った程度であろう私。