追悼

悼む:歌舞伎俳優・中村又五郎さん=2月21日死去・94歳
◇「役者顔のよろしさ」―中村又五郎(なかむら・またごろう)さん

葬儀は雪の舞う2月27日に東京・芝の増上寺で行われ、約500人が参列した。前日の通夜には約1000人が訪れた。「小柄で、引きしまっていて、すっきりとした体躯(たいく)と、役者顔のよろしさ」と池波正太郎が「又五郎の春秋」で愛情を込めて描写した姿は、終生変わることがなかった。
5歳で父の初代又五郎を亡くし、翌年に初舞台を踏み父の名を襲名。天才子役として母、弟妹ら一家の暮らしを支えた。「並のご苦労ではなかったと思います」と中村吉右衛門さんは話す。
師事した名優の初代吉右衛門を「第二の父」と敬慕し続けた。太平洋戦争で召集され、海軍の衛生兵として宮城県石巻終戦を迎えた。もう舞台に立つことはないとあきらめていたところに、初代から「芝居に出ないか」と誘いの電報が舞い込んだ。うれしかったという。
「初代は“間”にうるさい人でした。(黒衣姿の)後見の時に、背中の動きで声の出し入れを教わりましたね」。芸の神髄を体で学んだ。
  〜後略〜
毎日新聞 2009年3月11日 東京朝刊

先月亡くなられた又五郎丈の追悼記事が掲載されていたのでご紹介します。
改めてご冥福をお祈り致します。


《関連》*1


*1:いずれも2月27日・報知新聞