インタビュー

Crossroads:6月の歌舞伎座、注目の芝居二つ
仁左衛門が一世一代で与兵衛役
染五郎の長男が松本金太郎を襲名し初舞台

6月の東京・歌舞伎座で、俳優にとって画期となる二つの芝居が上演される。一つは昼の部の「女殺油地獄」。片岡仁左衛門が主役の河内屋与兵衛を“ 一世一代”で演じる。もう一つは夜の部の「門出祝寿連獅子(かどんでいおうことぶきれんじし)」。市川染五郎の長男が四代目松本金太郎を襲名し、初舞台を踏む。【小玉祥子


「油地獄」は近松門左衛門作品。油屋の河内屋の跡取り息子である与兵衛は、不行跡のため親に勘当された。そして、同業の豊島屋の女房お吉に借金を断られ、あげくに殺してしまう。与兵衛は自己本位で、今の世にもいそうな人間だ。
一世一代とは、俳優があたり役を今回限りとして演じること。仁左衛門は1964年に20歳で初演。舞台は評判を取り、出世役ともなった。
「それまでは、もっと年齢の上の方が演じられることが多かった役。だから『与兵衛はこんな年齢だったのか』と、お客様に新鮮にご覧いただけたのではと思います」と仁左衛門
  〜後略〜
毎日新聞 2009年5月19日 東京夕刊