腐れ感想文『蛇炎の恋』



娘道成寺 蛇炎の恋【特別版】 [DVD]

娘道成寺 蛇炎の恋【特別版】 [DVD]

このダイアリーにこの作品のASIN載せるのは実に三度目です(笑)。
この前の文章もかなり壊れてますが、これから先は腐ってます(爆)。
睡眠不足と花粉症でヘロヘロな中、敢えて書く“感想文”。しかも今更。


甲斐性ナシで映画館で観ることが出来なかったこの作品。
色々と話は見聞きしていましたが、DVD出るの楽しみにしてました。
で、そんな先入観もあっての上でのことなので、*1あてにならない、ってのもあるんですが…。
まぁ“心づもり”ってヤツは出来ていたので、ざっくり観て
「あぁ…。」
っていうのが全体的な感想。
色々と話を詰め込み過ぎてるなぁ、と。
正直
「誰が主人公なんだか…。」
というのが一番強く思ったことだったかな。
あと
「勿体無いな。」
というのと。


昨今、解り易い、ってのが流行ってるようなので、少しは頭使うような話というのもアリだとは思うんですが、余りにも話が飛び過ぎっていうか。
「ここまでやっといてこれだけ?」
と肩透かし食らったところもあったし、
「これは要らないんじゃないの…?」
というところもあったり。
予告編で出てきたミッキー・カーチスの台詞
「奈落の男に会うと云々…」
ってのがキーワードなのかと思ったら、なんかアレだけ、だし。しかも言ってる相手がマキセちゃんじゃなくて須賀ちゃんてのがびっくりですよ(苦笑)。男に対して言う台詞とは思えませんでした(汗)。せめて福助さんに、だと思うんですけどねぇ…。ここらへんは予告で想像膨らませ過ぎた、ってトコでしょうか。
何しろぶっ飛ばして観たので(途中、8倍速とかかけてたもん(爆))思い切り見落としてるのかな、と思うのだけれど、花丸が富太郎の弟子だった、っていう説明は本編中にアリでしたか?とか。
岸辺一徳に引き取られた幼い富太郎がその後、どういう道を辿って最高の女形になったのか、というところももう少しあっても良かった気がするし。*2まぁこれに関しては、要は本当のお父さん(なんだよね、ずっと稽古つけてたヒト)の右手が無い、っていうところが重要で、命を脅かす病なのかどうかはわからないけれど、長ずるにつれて手の自由が利かなくなって、やがては切り落とさざるを得なくなる、というようなもので遺伝的なもの、という宿命がある、ということな訳で。
直接この病で命を落とすことは無くても、役者にとって腕の自由が利かなくなるということは即ち命が無くなる、というのと同じ。
で…結局引退して行方不明になった富太郎、病気で死んだのか、それとも自ら命を絶ったのか。そこらへんもよくわからないんだけど…でもこれは含みを残して、ということではっきりさせる必要は無いか。
んでも最後のあの世なんだか何なんだか、なシーンは…かなりぶち壊しものという気がしました(汗)。
あれに限らず…でもCGに関しては、そんなに違和感無かったかも。もっとムチャなもん一杯観てるからか?(苦笑)
あとマキセ姉の髪型が難解、とか(笑)。
尺を長くしてもう少しそれぞれの要素を掘り下げて、というより、やはり内容を少し整理した方が良かったんじゃないかなぁ、って気がします。映画としての尺はねぇ、普通だもんね。これ以上長くするってのはどうか、っていう。


で、こっから先はド腐れモード(爆失笑)。
散々書きましたけどね、以前の日記にもちょっと書いたけれど、DVDでじっくり観ないとわからないようなところも一杯ありましたんでねぇ…(笑)。以下、思いつくままに。
DVD云々より前に、予告編に入ってたんだっけ?道成寺踊り終わって楽屋で拵え落としている時、鏡越しにマキセちゃんの姿が見えて、はっと手が止まって振り返り、我に返って肩を落とす、という福助さん…。あのシーンは流石だな、と思ってました。あれは通しで観ても切ない。
あと予告編冒頭のシーン、“恋の手習い”で手拭い銜えた顔も好きでしたが、その後、後ろを向いて銜えたままの手拭いを肩に掛けて振り向いた時の顔とか。まぁこれは映画に限ったことでは無いと言われればそれまでですが。
富太郎の楽屋の場面で、入口からのショットで一番手前に映っていた花の贈り主が光江お姉さまだったというのにはウケた。
で…一番キたのは、やはりマキセちゃんに紅を塗るシーンですねぇ…。紅を取った筆を舐めて、そのまま塗るというのに既に悶絶したワタクシですが(爆)、その後、マキセちゃんが呟く口元を見てはっとする富太郎、という表情…舐めた筆の紅が唇にうっすら付いてるのが何ともエロティックで。腐ってるワタクシにはたまりませんでした(滝汗)。


でー。忘れちゃならないのが、とにかく踊りのシーン。
あれだけ様々な角度から観られる、というのは本当に稀有なことでしょう。
是非是非、スペシャルエディションとして丸々一本、この映画のために録った映像を編集して“舞踊作品”として発表して戴きたいものです。
マルチアングルで自由に切り替え可能、なんていうのだったりするととても素敵なんですけどねぇ…。ホント、あれだけしか日の目を見ないなんて勿体無さ過ぎです。それだけ贅沢に作ったもの、なんでしょうが。


そして特典の“雨の道成寺”。
野外LIVE行き倒し人生(笑)で、雨天決行なんて普通よー、という感覚の自分ですが。
やはりこれもブログ徘徊していて、LIVEだと自分も動くからいいけど、あの雨の中じっと座って、というのは観る側も大変だったのでは、という意見を見まして。
確かにそうだなぁ、と。
でもやはりそれ以上のものがあったと思うんですよね、あの場には。
雨の中じっと開演を待っているお客様、どうにかならないかとご意見する福助丈。その前のお寺のお偉い方(?)に慌ててご挨拶される姿に和み(笑)、一転したあのお気遣いに感動。
その後、浴衣姿でアナウンスされている画が入るのは、ある意味サービスカットなんでしょうか?(笑)
「“あられもない姿”ってのはこーいうのかね?」
と思いましたよ、私は(爆)。
そして本番。冒頭かなり長々と、お寺の備品であろう青い石油ポリタンクが後ろに映り続けるのが気になって仕方が無かったりもするんですが(汗)。
何せ“本物”を拝見してた訳では無いので、的外れなことだと思うんですけど。
“気迫”というものとはまた違ったものを感じました。気迫だけでは『道成寺』という踊りは務められないでしょうし。
何とも形容し難いんですけど…“祈り”という言葉が一番近いでしょうか…。何か“大きなもの”に対する気持ちというか。
最後の最後、引き際に鐘に頬擦りをしたという話を聞いていたので、それが入っていることを期待していたのですが、それが無かったのは残念。
でもこれはあの場にいた方々だけのもの、なのかも。
“数打ちゃ当たる”的な生活をしている自分には得られないものなのでしょう。*3


なんかもっと腐ったこと一杯あったはずなのになぁ(爆失笑)。
眠さ全開になりつつあるので、今日のところはこんなもんかな。
相変わらず長く書いても中身ナシ。
役者さんの名前だったり、役名だったりと統一取れてないのは、それぞれのところを語るのに私自身がしっくりくるように書いているので御容赦を。
しかし本当に小学生の“感想文”ですな…。*4
そのうち思い出したら書き足すこともあるかもですね。

*1:他人の意見にすぐ左右されます、俺ってヤツは。

*2:てか岸辺一徳あれだけって勿体無い。どんな稽古シーンがあるのか、って期待してたんだよね、なんか。

*3:と、ことある毎に思うのだけれど。実は来週、二度観はするつもり無かったのだけれど、急遽夜の部のみ観に行くことになりました、歌舞伎座

*4:小学生は“エロティック”なんて書かんがな(爆)。