十月演目二題
源平の戦い:「貞操花鳥羽恋塚」に富十郎・梅玉・時蔵−−10月に東京・国立劇場で
◇鶴屋南北の味わい大切に
鶴屋南北が源平の争いに題材を取った時代物「貞操(みさお)花鳥羽恋塚」(国立劇場文芸課補綴(ほてつ)、織田紘二演出)が、10月に東京・国立劇場で上演される。
初演は1809年。通しとしては、約170年の時を隔て80年に同劇場で再演され、今回はそれ以来の上演となる。
平家に従うと見せつつも源氏再興をひそかにたくらむ源頼政と毒殺された高僧、頼豪のおん念、保元の乱に破れ、讃岐に流された崇徳院の天狗(てんぐ)へ化身しての魔界入り、遠藤盛遠、袈裟御前、渡辺亘の三角関係から起こる悲劇などが描かれる。尾上松緑演じる崇徳院が、同劇場初の、花道付け際から三階上手まで客席頭上を斜めに横切る宙乗りを披露する。
〜後略〜
女忠臣蔵:玉三郎が「加賀見山旧錦絵」の尾上に−−10月、歌舞伎座昼の部
◇心の流れ、幕あいにも
坂東玉三郎が、10月の歌舞伎座昼の部で「加賀見山旧(こきょうの)錦絵」の尾上を演じる。大名家の大奥を舞台にしたあだ討ち劇であることから「女忠臣蔵」とも呼ばれる作品で、尾上を虐げる中老の岩藤を尾上菊五郎、あだを討つ召使お初を尾上菊之助が初役で務める話題の舞台だ。
玉三郎の尾上初演は1971年で今回が3演目となる。「尾上は『伽羅先代萩』の政岡や『吉野川』の定高のように主君や自分の子供たちのことが頭にあるわけではない。辛抱しっぱなしで、お初にも本心を隠し、自分だけで決着をつけようと自害する。分別がそれなりにあれば、もっと手だてもあったはず。そこが政岡とも定高とも違う若さでしょう」
〜後略〜
写真は尾上(玉三郎丈)。*2
上記二題、昨日夕刊に掲載されたものだったのですがWebで見付からず。
キーワード“玉三郎”で検索しても出なかったのですが、先ほど“富十郎”に切り替えてみたところ出ました(現時点で既に過去ログとなっているようです)。