『鞍馬山誉鷹』



HDDレコーダのキーワード“歌舞伎”で引っ掛からなかったので、うっかり忘れるところでした…。
今日の午後イチ、『芸能花舞台』録画しながらオンエア拝見。


観劇当日に書きましたけれど。梅玉丈の口上の内容が微妙に異なってましたので*1
「あれ?」
と思っていたら今日のオンエアは楽日のものだったとのことで。“予備”として同じ公演を何度か録画するということは普通にあることのようですので、不思議なこととは思いませんでしたが、ちょっと残念。
観劇当日の感想などは全くエントリーしなかったので、ちょっと思い出しつつ今日の感想を。


いつも通り三階Bから拝見した訳で、花道七三での見得は当然全く見えなかったので、今日のオンエアを視て客席が沸いていたのに納得(笑)。
その後本舞台に移ってから、楓四天を相手の立ち回りなどをオペラグラスで観ていて気付いたんですが。
「大ちゃん*2その足の指は!」
という驚きがあり。
見得を切っているなど止まっている時以外でも、足の親指と人差し指*3の間がぱっかり開いているというのは…。
未だかつてワタクシ、あのような足を持った役者さんを見た記憶がありませんですよ。*4
普段から草履などを履かれているせいなのかも知れませんが、あの足があの歳にしてしっかりぶれない足腰の元になっているのでは、と思いました。
何にせよ末頼もしいですねぇー。
常盤御前雀右衛門丈が出てくる直前に、仁左衛門丈と向かい合った時なんて、本気で
「…仁左さんと張ってるよ…。」
とも思いましたし。*5


更に“末頼もしい”と言えば、今日のスタジオでの立派な受け答えと微動だにしない姿勢。
羽織袴に身動きとれず、というのもあったかも知れませんが(苦笑)、お扇子を右手に持ったまま、きっちり座っている姿に感心…というのも逆に失礼かも知れませんが。


昨日エントリーに書いた、朝刊のテレビ欄を見て「げっ!」と思ったというのは、『情報ツウ!』に虎之介くんの密着取材という文字を見付けたからなのですが。
彼もすごくしっかりしていてびっくりしたんですけど。*6


昨日と今日の番組を見て、無理矢理そうさせている、というのではなく、自然とそうなっている、という歌舞伎の世界を改めて感じた次第。
単なる厳しさだけでなく、根底に“愛”が無いと、ああはならないですよね。
子供による陰惨な事件が度々起きる今日この頃ですが、やっぱり何か欠けていたのでは、と思うのは飛躍し過ぎでしょうかね…。

*1:確か私が観た日には「同じマンションの住人のよしみということもありまして…。」とかおっしゃっていた気が。

*2:いやもうその時点で既に“大ちゃん”ではなかったんですが…。

*3:と足の指も表現して良いのでしょうか?

*4:むしろ橋之助丈などは確か足が小さいのに憧れて、お年頃になって足袋を誂えられるようになった時、本来の大きさよりかなり小さく作ってもらって“纏足”したという話。荒事などで親指をぴんと立てた状態というのはよく観る光景ですが、普通に拝見する限り、皆さん綺麗な細いつま先、という印象があるのですけど…。

*5:ちなみに今更なのですが、このはてなのキーワードに入っている仁左衛門の解説を先日読んで、“もしかしたら日本を代表する二枚目かもしれない。”という言葉にしみじみ。歌舞伎という伝統芸能の中での飛び切りの二枚目。まさに“日本を代表する”ということになるのでは、と。首都圏以外の公演にはハナから行けないものと思っているので今まで揺らいだことはまず無いんですが、今月の松竹座…。NHK地上波で放送とか…無理ね(涙)。

*6:妹ちゃんも可愛くてしっかりしていて、びっくり更に倍、みたいな(笑)。そして『先代萩』が俄然楽しみになりましたよー。