芝雀丈インタビュー

歌舞伎:中村芝雀、2カ月連続で女形の大役
◇6月「国性爺合戦」の錦祥女、7月「彦山権現誓助剣」のお園
歌舞伎女形中村芝雀が、東京・国立劇場の歌舞伎鑑賞教室で6、7月の2カ月続きで女形の大役を演じる。6月が「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」の錦祥女、7月が「彦山権現誓助剣(ひこさんごんげんちかいのすけだち)」のお園。
近松門左衛門原作の「国性爺」の錦祥女は初役。明の再興を願い日本から訪ねてきた父、老一官(秀調)と韃靼(だったん)国の将軍である夫、甘輝(中村信二郎)との板ばさみになり、夫を明に味方させるために自害する。
「複雑な思いを高貴な立場を守りながら表現する。『楼門』では女形としては珍しく、いすに座っています。動きも少ないですし、難しい役です」
楼門の上にいる錦祥女は、地上にいる幼き日に別れた父を鏡に写し、絵姿と照らし合わせる。鏡を用いた優美な動きが見せ場のひとつとなる。さらには老一官、弟の和藤内(松緑)たちに味方するよう夫を説得できたら白粉を、失敗したら紅を川に流すと約する。錦祥女は紅を流すが、それは自身の流す血であった。
「錦祥女の悲劇があるから、老一官、和藤内の大願が成就する。悲劇の中心ですよね」
  〜後略〜

毎日新聞 2006年5月29日 東京夕刊

写真はスチール写真より錦祥女。


今月は演舞場で御活躍された芝雀丈。来月・再来月は記事にもありますように国立ですね。『国性爺合戦』楽しみです。『毛谷村』もどんなお園になるのか。
そう言えば先日の“女形の夕べ”で、今年はまだお休みされていないとおっしゃってましたね、芝雀丈。どうかお体に気を付けて…。*1

*1:確か8月はお休み、とおっしゃっていた気が。