秀山祭九月大歌舞伎・昼の部



さくっと書いておきましょう。


◆11日観劇 3階10列中央


諸事情により『六歌仙』からの観劇。当分見納めになるであろう亀治郎丈御出演の『車引』、吉右衛門丈の与兵衛が素晴らしいと評判の『引窓』が観られなかったのが悔しい…。思い切り勘違いしていました。亀治郎丈は来月の三響會で拝見しますですね…。(2006.9.18 追記)

六歌仙容彩』



業平小町
雀右衛門丈、確かに動きにあやふやさは感じましたが、威圧というような“強さ”ではなく、何と言ったらいいんでしょうね…。圧倒的な存在感と言えばいいのか、月並みな表現ですが。本当に凄いなと思いました、改めて。


文屋
変わってこちらはコミカルな感じで。どすどすと出てきた女官たち、怖い(笑)。とは言っても本当に怖い訳ではなくて、例えるなら『身替座禅』の奥方みたいなもんですね。“怖い人たちなんですよ”、“意地悪な人たちなんですよ”、“文屋をいじめるんですよ”という記号を持った姿。
染五郎丈の踊りが冴えた一幕。

寺子屋



この演目を観るのはこれで三度目なんですが。*1
今回物凄く感動…というのはちょっと違いますね、物語が“沁みた”と言いますか。泣きはしませんでしたけれど、とても良かったです。幸四郎丈と吉右衛門丈のバランスというか、文字通り“がっぷり四つに組んだ”感じが深みを増していたように感じました。三度目にしてようやく観る目が備わったのかも。
しかし残念だったのは、タイミングは合っていたのだけれど、なんだか変な大向こうが沢山かかっていたこと。ただの大声、といったような声*2や、気合いが抜けそうな締まりの無い声。「御両人!」とか「待ってました!」もあったな、確か。この演目にこの大向こうは変でしょうに…。「待ってました」は義太夫に対してかけたもののようなのでアリらしいですけど、どうにも馴染みませんね。


いつも通りの内容の無さに加えて文章短くてさっぱり埒が明きませんが。
二演目しか拝見出来ませんでしたが、思った以上に大変に濃いものでありました。
上手く表現できないのがもどかしい。

*1:初回が人生初歌舞伎であった平成十年の一月、仁左衛門丈襲名時。上演記録を改めて見て、配役の豪華さに対してほとんど記憶が無い自分を情けなく思う…<絵に描いたような“猫に小判”。二度目は一昨年の六月。流石にこちらは覚えてますよ(苦笑)。

*2:怒鳴っている、というものでもなく。力が入っていない大声。