玉三郎丈インタビュー

歌舞伎:玉三郎が「金閣寺」の雪姫役 姫であって姫ではない−正月の歌舞伎座
◇前回から桜の木を下手に−−型の見直し続け
◇絵も描け、夫のような存在も
坂東玉三郎が、正月の歌舞伎座夜の部で姫物の大役「三姫」に数えられる「金閣寺」の雪姫を演じている。雪姫は1998年6月歌舞伎座以来、また本興行への出演は昨年7月の歌舞伎座以来となる。
松永大膳(幸四郎)のこもる金閣寺に捕らわれる雪姫は絵師、雪舟の孫。父、雪村の敵と知った大膳に襲いかかるが、逆に満開の桜の木に縄で結わえ付けられてしまう。雪姫が祖父の故事にならい、桜の花びらを集めて足の指でネズミを描くと動きだし、縄をかじり切る。
今回で4回目だが、前回から結わえられる桜の木を上手(向かって右側)から下手(左側)に変えた。五代目中村歌右衛門が上手にして以来主流となっていた型の自分なりの見直しであった。
「今回も同様にいたします。五代目さん以降上手一辺倒になっていたので、違うものもしておこうと思いました」と思いを語る。原典である浄瑠璃本を常に検討する玉三郎らしい発想だ。
  〜以下略〜
毎日新聞 2007年1月4日 東京夕刊

写真は『金閣寺』より雪姫(玉三郎)。