海外公演二題

歌舞伎:海外公演、次々と 今月「平成中村座」が米国で、9月「近松座」が中国で
この3月にはパリ・オペラ座市川團十郎らの歌舞伎公演が行われるなど、歌舞伎の海外公演がますます盛んだ。今月は中村勘三郎率いる「平成中村座」が米国公演、9月には坂田藤十郎率いる「近松座」が中国公演を行う。【小玉祥子
平成中村座」の米国公演は2004年7月以来、2回目。勘三郎襲名後は初の海外公演となる。16〜22日がニューヨークのエイブリー・フィッシャーホール(リンカーンセンター内)、26日がワシントンのワーナーシアター。
演目は16日が「連獅子」(勘三郎の親獅子の精、勘太郎七之助の仔獅子の精)、17〜22日が「法界坊」(勘三郎の法界坊、橋之助の甚三郎、扇雀のお組、勘太郎の要助、七之助の野分姫)。26日が「勧進帳」(橋之助の弁慶、勘三郎の富樫、扇雀義経)、「身替座禅」(勘三郎の右京、弥十郎玉の井)。
法界坊の独り言を英語にするなど、海外公演らしい試みも行う。「『法界坊』は喜劇。いろいろな歌舞伎があるというところを見ていただきたい」と勘三郎。問い合わせは03・5565・7605。
近松座中国公演」は9月4日から22日まで。4、5日が北京・保利劇院、9日が杭州杭州劇院、13〜15日が上海・上海大劇院、21、22日が広州・中山記念堂。演目は「傾城反魂香・将監閑居」(藤十郎のおとく、翫雀の又平)と「英(はなぶさ)執着獅子」(藤十郎の獅子の精)。
「近くでありながら遠い中国と日本の人と人とのつながりが、今度の公演で大きく立派になっていけばうれしい。『傾城反魂香』では夫婦愛の深さを見ていただきたい。『執着獅子』はお姫様から中国の清涼山の獅子の精に変わる。ぜひ中国でやりたいと思いました」と藤十郎。問い合わせは03・5565・1661。
毎日新聞 2007年7月12日 東京夕刊