劇評

歌舞伎:秀山祭大歌舞伎(歌舞伎座) 抑制利かせ悲しみ見せた吉右衛門
初代吉右衛門の俳名を冠し、ゆかりの演目などを上演している。
昼の見物は「熊谷陣屋」。吉右衛門は抑制を利かせつつわが子を亡くした熊谷の悲しみを見せ、「物語」では敦盛の姿が浮かび上がるようだ。芝翫義経は品位があり、弥陀六への思いもうかがえる。富十郎の弥陀六が過去の猛将ぶりをしのばせ、福助の相模、芝雀の藤の方と周囲もそろう。
  〜中略〜
最後が「二條城の清正」。「二條城」では、家康(左團次)一党を相手に気を張った古武士の風情を見せていた吉右衛門の清正が、「御座船」では秀頼(福助)への情愛をまっすぐに見せる。メリハリが利き、清正像が鮮明に浮かび上がった。福助の秀頼はりりしい中にはかなさがある。26日まで。【小玉祥子
毎日新聞 2007年9月10日 東京夕刊

写真は『熊谷陣屋』より熊谷(吉右衛門)、義経芝翫)。*1


今月は早いですねー、劇評。
早く拝見したいです。

*1:芝翫丈がぱっと見、福助丈だと思いました。流石親子。