舞踊の楽しみ方

more楽:歌舞伎舞踊の魅力 理屈抜き、楽しく鑑賞
歌舞伎興行では演目に舞踊が入ることが多い。10月興行を例に取るなら、東京・歌舞伎座の昼の部は「羽衣」、夜の部は「奴(やっこ)道成寺」、同・新橋演舞場では昼の部に「連獅子」、名古屋・御園座では昼の部に「かさね」、夜の部で「達陀(だったん)」が上演されている。歌舞伎舞踊の魅力を考えてみたい。【小玉祥子


江戸時代から今日まで、多くの歌舞伎舞踊が生み出されてきた。能や狂言から取り入れたもの、歌舞伎独自に作られたものなどさまざまで、もちろん上演されなくなった作品もある。洗い上げられ、工夫され、残ったのが現行の演目と言えよう。「羽衣」「連獅子」「奴道成寺」は能の演目が素材、「かさね」は江戸時代に作られた芝居の一幕、「達陀」は戦後に発表された新作舞踊だ。
「素襖落(すおうおとし)」や「棒しばり」のように狂言を素材にした作品は別として、歌舞伎舞踊にはかっちりとした筋のないものが多い。「だから歌舞伎の中で踊りが一番難しいとおっしゃる方がいらっしゃる」と、歌舞伎座で26日まで「奴道成寺」に出演中の坂東三津五郎さんは残念がる。三津五郎さんは舞踊の大流派、坂東流の家元でもある。
  〜後略〜
毎日新聞 2007年10月13日 東京朝刊

写真は『連獅子』より勘三郎勘太郎七之助と、『奴道成寺』より三津五郎


先週の土曜に掲載された記事ですが、延び延びになってしまいました。
元々難しく考える頭を持ち合わせていないからなのですが、踊りを拝見する後はほとんどいつも「きれーい。」とかいう感想しか無い私ですが。

「皆さん考えすぎです。もともと踊りは理解するようには作られていない。舞台の踊り手に数十分間身をゆだね、『いい時間だった』と思っていただければいいんです」と三津五郎さん。

この三津五郎丈のお言葉にほっとしたり(苦笑)。