会見

歌舞伎:勘三郎が筆屋幸兵衛役 先代の得意役に初挑戦−−来月の歌舞伎座
◇「これが歌舞伎だ」示したい
中村勘三郎が12月の東京・歌舞伎座昼の部で「筆屋幸兵衛(水天宮利生(めぐみ)深川)」(河竹黙阿弥作)の主役、幸兵衛を演じる。父の先代勘三郎が得意とした役への初挑戦となる。
幸兵衛は明治維新で没落した士族。妻を亡くし、筆職人をしながら3人の子供を育てている。借銭の利がかさみ、末の乳飲み子の着物も、目の不自由な長女、お雪がもらってきた金も、高利貸しに取り上げられた。幸兵衛は一家心中を決意したあげくに錯乱する。
「おやじのあたり役中のあたり役でした。僕がお雪役のとき(1971年)、妹のお霜はいとこの清太郎(現清元延寿太夫)で、その父親の先代延寿太夫が立唄でした。劇中で思わず清太郎が歌いだしたら、おやじが怒って。おかしくなったときの演技だから、何でもできる。本当に殺されるかと思いました」
  〜後略〜
毎日新聞 2007年11月26日 東京夕刊