この1年を振り返る

古典・大劇場:この1年 「忠臣蔵」「千本桜」の通し上演が成果
◇森山治男ら新しい劇作家の活躍も顕著
歌舞伎座では2月に「仮名手本忠臣蔵」、3月に「義経千本桜」と義太夫歌舞伎の三大名作と言われる人気作品のうち、2演目の通し上演が上半期に行われ、成果を上げた。
忠臣蔵」は富十郎の師直(もろのお)、菊五郎の判官と勘平、幸四郎吉右衛門の昼夜代わりの由良之助(ゆらのすけ)、玉三郎のお軽、仁左衛門(にざえもん)の平右衛門と当代の適役を得ての舞台であった。
さらに11月には、2月に出なかった「九段目」が芝翫(しかん)の戸無瀬、幸四郎の本蔵、吉右衛門の由良之助、魁春(かいしゅん)のお石、染五郎の力弥(りきや)、菊之助の小浪(こなみ)という好配役で上演された。
「千本桜」は菊五郎が通しての忠信、同じく梅玉(ばいぎょく)が義経を演じ、幸四郎が知盛、仁左衛門が権太、芝翫静御前坂田藤十郎典侍(すけ)の局に出る充実した舞台だった。
  〜後略〜
毎日新聞 2007年12月12日 東京夕刊