劇評

歌舞伎:初春大歌舞伎(歌舞伎座) 助六を力強く演じた團十郎
幹部俳優が多く出演しての初春興行。
昼は梅玉染五郎による「猩々(しょうじょう)」で幕を開け、続いて「一条大蔵譚(ものがたり)」。吉右衛門の大蔵卿は「檜垣(ひがき)」で愚かさを印象付け、「奥殿」で源家に心を寄せる本心を出す。両面を自在に見せた。福助の常盤(ときわ)御前に強さと色気があり、梅玉の鬼次郎(きじろう)、魁春(かいしゅん)のお京がきっぱりとしている。段四郎の勘解由(かげゆ)、吉之丞の鳴瀬。
  〜中略〜
最後が「助六」。團十郎が病を克服し、03年以来の助六を力強く演じている。おおらかさ、明るさは、この人ならではのもの。福助の揚巻は美しく、悪態に色気と粋さがある。梅玉の白酒売に、柔らかみ、ユーモア、品があり、江戸和事を実感させられた。孝太郎の白玉が手堅い。芝翫の満江(まんこう)が舞台を締め、段四郎の門兵衛、歌昇朝顔と周囲もそろう。26日まで。【小玉祥子
毎日新聞 2008年1月17日 東京夕刊

写真は『助六』より助六團十郎)、揚巻(福助)。


先日幕見で『助六』拝見してきましたが、とても素敵でしたー。2時間の立見も全く苦にならず。
中に入って拝見出来るのが待ち遠しいです。