劇評


歌舞伎:「桜姫」(シアターコクーン) わい雑に、刺激的に
鶴屋南北作の「桜姫東文章」を串田和美が演出したコクーン歌舞伎
吉田家の息女、桜姫(福助)は、高僧清玄(橋之助)が心中を図り、一人で死なせてしまった白菊丸の生まれ変わりだ。仏門入りを決意した桜姫だが、子までなした悪党、権助橋之助)と再会し、清玄と不義の疑いをかけられ、共に身分を落とされる。流転の末、桜姫は権助とめぐり合い、ついには遊女となる。
桜姫の強い情念を福助があざやかに見せる。「権助住家」で、清玄の霊の啓示と権助との会話で真相を知り、すべてを断ち切る決意を固める演技に説得力がある。
橋之助は清玄で桜姫への強い執着と受け入れられない人間の哀れさを出し、権助では欲望に取り付かれた今日的な人間像を描いた。
  〜後略〜

写真は“権助住家の場”より、権助と風鈴お姫。*1

*1:福助丈HP・NEWSページ舞台写真右に同じ。