劇評


歌舞伎:八月納涼歌舞伎(歌舞伎座) 鬼気迫る貢−「伊勢音頭」の三津五郎
3部制の納涼公演。
1部は「金閣寺」。三津五郎初役の大膳がゆったりと大きく、いかにも国崩しの雰囲気だ。福助の雪姫は描写が細かく情味豊かで、橋之助の軍平に佐藤正清の性根がうかがえる。染五郎の東吉が好演。勘三郎の直信。桜の花が固まりのごとく落ちるのは、かえってあわれさをそぐ。続いて獅童の弁慶、七之助の牛若丸の「橋弁慶」と勘太郎五変化の「雨乞狐」。勘太郎の動きが鮮やかだ。
  〜以下略〜

写真は『伊勢音頭』より貢(三津五郎丈)と万野(勘三郎丈)。