劇評



すみませんまた“今日”とか言ってますが…13日のものです。

歌舞伎:芸術祭十月大歌舞伎(歌舞伎座) それぞれ好演、見ごたえも
昼夜に見ごたえのある演目がそろった。
昼の眼目は「加賀見山」。菊五郎がセリフに緩急を付け、岩藤に大きさとあいきょう、色気を出し、玉三郎が尾上の思いつめた悲しみをうまく表現した。菊之助は、尾上をいちずに気遣うお初のけなげさと岩藤への憎しみを勢いを持って演じた。お初が岩藤方のたくらみに気づいていたというセリフを加えるなど、分かりやすい工夫もなされている。3人が緊密に結び合った好舞台。松也の求女がすがすがしい好演。
  〜後略〜

写真は菊之助丈(お初)と玉三郎丈(尾上)


『加賀見山』は去年の3月に国立で上方式のものを観ましたが。その印象が強いのか、この記事の写真のキャプション、気付いたらお初→亀治郎丈と書いてました(苦笑)。
まだ今回のものは観ていないので何とも言えませんが…。菊之助丈のお初も賛否あるようで。“勇まし過ぎる”というようなことをあちこちで拝見しています。しかし去年の国立の亀治郎丈のお初も、主を思う健気さ故の勇ましさ、みたいなものを感じましたので、そういう形もアリなのでは無いかなぁ、と思っていますが。まぁ演出が基本的に違うと言えばそれまででもありますが…。
ともあれ、拝見するのが楽しみです。*1

*1:ところで歌舞伎の外題というのは、様々な書き方がある場合がありますが、この『加賀見山』も、『鏡山』と書く場合がありますよね。『新版 歌舞伎手帖』を見ると、今回の演目“旧錦絵”は“鏡山”とあり、“再岩藤”は“加賀見山”になってるんですよね。ちなみに私が辞書登録してあるデータベース(こちらでも触れています)も上記と同様。って今、辞書配布されているところに再度伺って確認してみましたら、『歌舞伎手帖』を参考にされているとありました。そりゃ同じだわな(苦笑)。