劇評

歌舞伎:六月大歌舞伎(歌舞伎座) 対照利いた幸四郎染五郎
昼は「君が代松竹梅」(翫雀愛之助、孝太郎)で幕が開き、続いて「角力場」。幸四郎の長五郎が重厚で、染五郎の長吉は、まっすぐな気性がよく表れた造形。長五郎の低音と長吉の高音。2人の対照が利いた。染五郎は与五郎も好演。橘三郎が好助演。
次が「藤戸」。能を題材にした新作舞踊で、吉右衛門構成、川崎哲男脚本。盛綱(梅玉)に漁夫の子を殺された母を描く前半と、龍と盛綱一党の戦いを描く後半に分かれ、吉右衛門が母の悲しみと暴れる龍の2役を演じ分けた。最後が「荒川の佐吉」。仁左衛門の佐吉が無欲のヤクザをすっきりと描く。段四郎の成川が、浪人となった武士の屈折をうまく出し、菊五郎の相政が大親分の風情。染五郎、芦燕、時蔵、孝太郎、権十郎愛之助と周囲もそろう。
  〜後略〜

毎日新聞 2006年6月12日 東京夕刊

写真は『荒川の佐吉』より佐吉(仁左衛門)と相政(菊五郎)。


昼の部は今週末に観劇でございまする。*1
踊りは好きだけど苦手、なんですが(汗)、『藤戸』が楽しみです。あとやっぱり『荒川の佐吉』ですねぇ〜。
体調整えておかないと…。

*1:夜の部は楽。