インタビュー

歌舞伎:シェークスピア物「NINAGAWA 十二夜」再演 尾上菊之助に聞く
◇女と男の行き来、テンポよく
◇琵琶姫や獅子丸などを演じる尾上菊之助、初演よりレベル上がった
一昨年7月に東京・歌舞伎座で初演され、好評を博したシェークスピア物歌舞伎「NINAGAWA 十二夜」(今井豊茂脚本、蜷川幸雄演出)が、7月の歌舞伎座で再演される。物語の核となる双子の兄妹、斯波主膳之助(セバスチャン)と琵琶姫(オリヴィア)、琵琶姫が男装した獅子丸(シザーリオ)を演じる尾上菊之助に話を聞いた。【小玉祥子
「初演よりテンポがよくなりました」と歌舞伎座に先駆けての6月の博多座公演の手ごたえを語る。
兄の主膳之助と船の難破で離れ離れになった琵琶姫は、男装して獅子丸と名乗り、大篠左大臣錦之助)に奉公する。左大臣の命令で、織笛姫(時蔵)の元へ恋の使者に立った獅子丸は、かえって織笛に見初められる。だが獅子丸は大篠に思いを寄せていた。
獅子丸は、時々、女性の本性を現す。博多座では初演より自在に変化する印象を受けた。
「前回はポイントを決め、スイッチを入れるように男から女へ変わっていたのを、今回は男女を行ったり来たりするようにいたしました。若衆が女に化けている感じから、女が若衆になっている感じになりました」
  〜後略〜
毎日新聞 2007年7月5日 東京夕刊

写真はインタビュー時の菊之助丈。