劇評

歌舞伎:NINAGAWA 十二夜歌舞伎座) 男女を自在に演じ魅力的な菊之助
一昨年に初演されたシェークスピア作品の翻案物の再演。今井豊茂脚本、蜷川幸雄演出。
双子の兄、主膳之助と海上の嵐で離れ離れになった琵琶姫は男装し、獅子丸と名乗って大篠左大臣錦之助)の小姓となる。左大臣は焦がれる織笛姫(時蔵)への使者に獅子丸を使わすが、織笛は獅子丸に一目ぼれ。また獅子丸は左大臣を慕っていた。
琵琶姫、獅子丸、主膳之助が菊之助。獅子丸として男性を装っていたのが、感情が激してくると次第に女の声と動きになる。男女を自在に行き来する姿が魅力的で、主膳之助ではきりりとした若衆ぶりを見せる。
  〜後略〜
毎日新聞 2007年7月19日 東京夕刊

写真は坊太夫菊五郎)、主膳之助(菊之助)、織笛姫(時蔵)。