歌舞伎と能の違い

more楽:「船弁慶」の義経、歌舞伎は大人で能では子供 シテ引き立て、神々しさも
源義経。源平の戦いで武功を立てながらも、兄の頼朝に疎まれ、早世した武将だ。時代を超えた人気を保ち、能、歌舞伎など古典演目でも多く活躍する。能から歌舞伎に取り入れられた作品もあるが、興味深いのは同じ題材なのに能では子方(子供)、歌舞伎では大人が義経を演じる演目があることだ。「安宅」(歌舞伎では「勧進帳」)と「船弁慶」をみてみたい。【小玉祥子
  〜中略〜
歌舞伎では、弁慶、富樫、義経はそれぞれに大役で、俳優の顔合わせの豪華さが売り物ともなる。緊迫した中で3人が視線を交わす場面や、非礼をわびる弁慶に義経が慈愛を込めて手を差し出す「判官御手を」も見せ場のひとつだ。
「子役だと、そうはいかないし、いい役をたくさん作りたいという思いもあると思います」と歌舞伎俳優の中村芝翫(しかん)さんは分析する。
  〜中略〜
芝翫さんは9月の歌舞伎座公演で、「熊谷陣屋」の義経を演じる。
義経にはすがすがしいイメージがある。演じる時には気品を大切にいたします」
毎日新聞 2007年8月11日 東京朝刊

写真は能の『安宅』より子方(関根祥丸さん)と、歌舞伎の『勧進帳』より芝翫丈の義経
カラーなのでwebに載っていないのが惜しいです。