書評

今週の本棚・新刊:『京都南座物語』=宮辻政夫・著
 (毎日新聞社・1890円)
京都の四条大橋近くに建っている南座は、日本最古の劇場で、四〇〇年近い歴史を持ち、今なお歌舞伎の顔見世興行などで京都の庶民に親しまれている。世界にも例を見ない長寿を誇るこの劇場が、女歌舞伎の芝居小屋として元和年間に誕生し、初代坂田藤十郎の元禄歌舞伎で黄金時代を迎え、江戸時代末期に上方演劇界の中心が大坂へ移るとともにいったん衰退していくまでの、その劇場史を描いたのが本書だ。
南座に縁の深い各界の著名人九十六人による談話も収録されているのが、いかにも京都ならでは。そのうちの一人はこう言う。「顔見世を見ていた母が産気付いて生まれたのが私です」。それほどまでに、京都人にとって南座は先祖代々から切っても切れない存在なのだ。(若)
毎日新聞 2007年10月21日 東京朝刊

以前どこかでこの本が発売されたという情報を知り、一度読んでみたいと思っていたのですが。実際は実物すら見たことがありません。というのは何故かと考えて、最近ちゃんとした本屋に行かないからだ…と気付いて反省。*1

京都南座物語

京都南座物語


*1:“ちゃんとした本屋”ってどんなんだ、と言われても答えに詰まるところでもあるんですが。TSUTAYAとか、せいぜい隣町の本屋止まりというのはどうかなと思う。もっとも行った所で実りある買い物が出来るのか、と問われればこれも疑問であるんですけど…。