劇評

演劇:錦秋演舞場祭り(新橋演舞場) 文字通りの「勘三郎奮闘」公演
昼が主演する歌舞伎3本、夜が森光子との初共演。文字通りの「勘三郎奮闘」公演である。
昼の最初が「俊寛」。勘三郎俊寛は、清盛への憎しみが強く表現された。勘太郎の成経、七之助の千鳥が初々しく、離れがたい恋人同士であることがよく感じられ、2人を一緒に戻してやろうとする俊寛の行動に説得力を与えた。亀蔵の康頼、弥十郎の瀬尾、扇雀の丹左衛門。
中幕が「連獅子」。勘三郎の親獅子、勘太郎七之助の仔(こ)獅子の3人による連獅子。動きの鮮やかさと息の合い方。気迫がみなぎる一幕だ。弥十郎亀蔵の宗論。
最後が「人情噺(ばなし)文七元結(もっとい)」(三遊亭円朝口演、榎戸賢治作、山田洋次補綴(ほてつ))。山田が従来の台本を洗い直し、セリフなどに手を加えた。勘三郎が、気がいいが短慮な長兵衛を魅力的に造形。補綴により角海老でのお久(芝のぶ)とのやりとりに情味が増し、お駒(芝翫)の長セリフにも説得力が出た。扇雀のお兼が、なさぬ仲の娘を思う気持ちをよく出し、勘太郎の文七、芝のぶが好演。
  〜後略〜
毎日新聞 2007年10月22日 東京夕刊

写真は『人情噺文七元結』から長兵衛(勘三郎)、お兼(扇雀)。


先日行った時シネマ歌舞伎の撮影ってもう終わったのかな、と思っていたのですが、『歌舞伎美人』によりますと前日・前々日にあたる18・19日にあったようです。
  シネマ歌舞伎 撮影開始 | 歌舞伎美人(かぶきびと)
ちょっと惜しかったかも(笑)。