泉鏡花の世界と七月大歌舞伎製作発表記者懇親会

Crossroads:泉鏡花作品 この夏舞台で連続上演
◇「婦系図」と「夜叉ケ池」など、魅力は聖と俗の対比

幻想作家として名高い泉鏡花作品の上演が続く。今月は東京・新橋演舞場の新派公演の昼の部で「婦系図(おんなけいず)」(29日まで)。来月は東京・歌舞伎座の夜の部で「夜叉(やしゃ)ケ池」と「高野聖(こうやひじり)」が上演される(7〜31日)。鏡花物の魅力はどこにあるのだろうか。【小玉祥子
鏡花の代表的な作品群には、芸者に代表される花柳界に生きる女性が主人公になるものと、魔物など異界の住人が登場するものがある。前者の代表格が「婦系図」で、「夜叉ケ池」と「高野聖」は後者の系列に属する。
ベースとなる世界は異なりこそすれ、両者には共通項がある。聖と俗の対比だ。
婦系図」の主題は元芸者のお蔦(つた)とドイツ語学者の主税(ちから)の悲劇的な恋だが、そこに主税の師である酒井の娘、妙子に近づく富豪の河野一族がからむ。
「夜叉ケ池」の軸は村娘の百合と萩原の夫婦。池の主と村人が大昔に交わした約束を守るため、萩原は鐘楼守(しょうろうもり)になった。約束は迷信とあざける村の有力者たちは、百合を雨ごいの生け贄(にえ)にしようとする。池の主の魔物、白雪姫は破約とともに解き放たれ、村を洪水が襲う。
高野聖」では、旅の僧が宿を求めた山中の家で、獣にまとわりつかれる美女に出会う。女の誘惑に打ち勝った僧は、女が言い寄る男を獣に変えていると聞かされる。
河野一族や約束を破る村人、獣に変えられた人々が俗。お蔦と主税、百合と萩原、僧が聖の側だ。
  〜後略〜
毎日新聞 2008年6月17日 東京夕刊

現在、新橋演舞場で公演中の新派公演昼の部と、来月歌舞伎座の夜の部が泉鏡花作品ということで、共通するテーマを軸にした簡単な解説がされている記事です。
上記の作品の他に、去年7月の上演演目も挙げますと、『海神別荘』は海に棲む人々*1が“聖”・陸に住む人々が“俗”。『山吹』は縫子と藤次が“聖”・島津が“俗”。『天守物語』は天守に棲む人々*2と図書之助が“聖”・城主や図書之助を追ってきた人々が“俗”と…。
なるほど無理やりでなく、全て当て嵌まりますね。
言葉の美しさは時に難解さに通じる部分もあったりするのですが、それらを超えて“わかりやすい”のは、こんな誰にでも理解しやすいテーマがあるお陰なのでしょうね。
ちなみに私が数ヶ月前に購入したDSソフトに『高野聖』と『夜叉ヶ池』、それに『婦系図』が入っていました。

DS文学全集

DS文学全集

その他『藤十郎の恋』、『俊寛』なども収録。何ともお買い得です(笑)。
…というお話、実は既に『「高野聖」を読む@Nintendo DS | 好事家の戯言』で挙げられていたのですけど(汗)。


そして…。
スポーツ新聞等の初報を見掛けたものの、歌舞伎美人に記事がupされてからまとめようと思っているうちに時期を逸してしまった七月の製作記者会見。*3これを機にまとめを(苦笑)。

…なんかまたアタマ悪いタイトルが並んでますが…。夜の部の『高野聖』を中心とした記事がほとんどですが、実際のチケットの売れ行きは昼の部の方が圧倒的に良いようで。完売の日もちらほらありますよね。個人的には…うーん、どっちも楽しみなんですけど(苦笑)<お前もアタマ悪いよ。


そういえば先日こちらでも話題にしたポスター。初めて見たのは上記の記事のはずなのですが、玉三郎丈・海老蔵丈の後ろに小さく写っているだけだったためなのか気付かず…。その後、『ほうおう』で見てびっくりですよ。
って海老蔵丈の上半身の露出ではなく(笑)、*4後ろの玉三郎丈のはだけ具合が。「ここまでやるの!」と。
丁度『ほうおう』が届いた前日に『プロフェッショナル』特別編の放送があって「いやー見事ななで肩だこと…。」と改めて感心しきり、だったのだけど、こう見るとやっぱり男性の体だな、と
でも逆に「この下の胸はぺったんこ。」というのも信じられないんですが(笑)。*5

*1:正確には人ではありませんが。

*2:こちらも正確には人ではないですけど。

*3:今回、歌舞伎美人に記事がupされるのがとても遅かったというのも時期を逸した理由の一つだったりするのですが。

*4:つい最近手に入れた写真集でイヤっちゅーほど見たんで今更なカンジなの(笑)。

SHINNOSUKE―市川新之助写真集

SHINNOSUKE―市川新之助写真集

これ発売した時にすごい話題になったのよねー。で、立ち読みしようと思ったんだけど函入りだったんで諦めた記憶が。でも今回ちゃんと中身見て、これ立ち読みってちょっとなと。出来なくて良かったです(苦笑)。

*5:ちゅーか海老たま、鬘必要無いじゃんねぇ…(笑)。