劇評

歌舞伎:八月納涼大歌舞伎(歌舞伎座) 福助扇雀がおもしろくも不気味
恒例の3部制での公演。
  〜中略〜
3部の最初が「紅葉狩」。勘太郎の更科姫が、動きが美しく格調高い踊りを見せる。橋之助の維茂が豪快。続いてオペラ「アイーダ」に材を得た野田秀樹作・演出の「野田版 愛陀姫」。斎藤家の濃姫勘三郎)と総大将の木村駄目助左衛門(橋之助)、敵対する織田家の姫愛陀(七之助)の恋の顛末(てんまつ)が、両家の争いの中に描かれる。大衆をあおり、3人を悲劇へ導く祈とう師の福助扇雀がおもしろくも不気味だ。27日まで。【小玉祥子
毎日新聞 2008年8月20日 東京夕刊

写真は『愛陀姫』より駄目助左衛門(橋之助)、濃姫勘三郎)、姫愛陀(七之助)。