鐘に恨みは?



急遽、出勤して欲しいとの要請を受けたので、早めに出て『道成寺』のみの幕見決行。
噂に違わず可愛らしい三津五郎丈の花子でした。
道成寺』としてはかなりあっさり目、という印象。恨みとかそういうものとは無縁な、無垢な感じ。
舞い尽くしはみっくん。“北条高時天狗舞”というのが今回のスペシャルね(笑)。跳躍の実演付きでした。


さて食事も終わったし、そろそろ移動しますかねぇ。





六条亭さんのblogに平日でも幕見がかなり盛況という情報があり、心配しつつ歌舞伎座に着いたのは12:10くらい。既に幕見の入場が始まっていたものの、案の定かなりの列。地下鉄に乗り換える時に走れば乗れたものを1本見送ったのを悔やむ…。最後尾に付いたら係員さんに「入れないかもしれませんよ。」と念押されるし。でも窓口近くまで来たら、ちょうどその時着いた人が窓口横で中の人とのやり取りを補佐していた別の係員さんに「入れますか?」と聞いて。にこやかに「大丈夫ですよ。」という答えが。なんだこの温度差。
無事入場して4階までよいよい上り、開いたままのドアから中に入ろうとしたらそりゃもう人一杯。立ち位置の確保も難しい…と思いきや、柵後ろに1人分より広めのスペースを発見。横にいた人に空いてるところなのか確認してそこに落ち着きました。*1
そして身支度を整えたと同時くらいに開演。
3階の指定席は東西2列目までほぼ一杯だったけれど、この日のお客さんはマナー良かった感じ。前のめりな人がいなかった気がします。*2立ち見だったし、結構七三より舞台寄りに位置取りをしていたようで、心配していた道行もほとんど完璧に拝見出来て良かったなーと。
当日のmoblogにも書きましたが、三津五郎丈の花子はあっさりとしてましたね。行きの道中、『長唄全集(二十七)京鹿子娘道成』を聴いていたせいもあってか、かなりゆったりしてるなーと思ったり。予備知識として知ってはいましたが、道行から赤い衣装で、鐘入りもお馴染みの銀鱗模様のものなどにならずそのまま、というのが新鮮でした。あと、鞨鼓の時の幔幕に火焔太鼓の衣装の地色が黄色でなく白だったのが印象に残りました。*3クドキの時の藤色地の衣装の霞が赤と金糸で強めだったのも面白かったです。


*1:しかしあんなに混んでるのに、自分の立ち位置横やら離れたところに荷物を置きたがる人ってのは何なんでしょうね。確かにコートやら何やらあるから自分の前に置くのは難しいものがあるけれど…まず自分の前に置けよ、と言いたくなる人が何人か。荷物置いてちょっと場所を離れてる人のところに、置いてある荷物をどけて自分の置こうとしていたおばさんには本当に呆れました。

*2:ただ、通路前の席だったからか、隣り合わせた2人がほとんど立ち上がるようにしていた、というのは見掛けましたけど。

*3:見慣れていないせいもあったと思うのですが、ちょっと寂しいというか柄に対して合わない気がしたり…。