劇評

歌舞伎:七月大歌舞伎(歌舞伎座) 玉三郎が緩急自在のセリフ回し
泉鏡花の幻想的な戯曲4本を、玉三郎海老蔵猿之助一門の若手中心に一挙上演する魅力的な企画である。
昼の最初が「夜叉ケ池」(坂東玉三郎監修、石川耕士演出)。池の主との約を果たすため鐘楼を守る萩原(段治郎)、百合(春猿)夫婦と百合をいけにえにしようとする村人たち。段治郎、春猿が涼しげな風情で流麗なセリフを聞かせ、純粋さと俗悪さをうまく対比させる。春猿は2役の白雪姫の恋に身を焼く姿もいい。右近が2人の理解者、学円を好演し、薪車、勝見史郎、鈴木章生、欣弥ら脇もそろう。
  〜後略〜

毎日新聞 2006年7月27日 東京夕刊

写真は『天守物語』より富姫(玉三郎)と図書之助(海老蔵)。


今月は遅かったですね、劇評。もう出ないのかと思いましたよ…。
モノクロですが、写真が良いです。このアングルが歌舞伎座で売っていたら良かったのに。多分無いと思うんですが(あったら買ってる、きっと)。

《2006.7.30 記》