今日のスクラップ

劇評

歌舞伎:新秋九月大歌舞伎(新橋演舞場) 花道の姿に悲しみ出た時蔵の尾上 時蔵、海老蔵、亀治郎らの清新な顔合わせ。 〜中略〜 夜は「加賀見山旧(こきょうの)錦絵」。「営中試合」から「草履打」「長局」「奥庭」まで。時蔵の尾上が長局の部屋に帰る花道…

書評

今週の本棚:渡辺保・評 『坂東三津五郎…』=坂東三津五郎・著、長谷部浩・編 ◇『坂東三津五郎 歌舞伎の愉しみ』(岩波書店・1995円) ◇古典復活は新作以上に難しい創造 歌舞伎の入門書は山ほどある。しかし大抵は初心者向けである。ところがこの本は三…

インタビュー

歌舞伎:幸四郎が弁慶役1000回 来月15日「勧進帳」─東大寺大仏殿前で 歌舞伎俳優の松本幸四郎が弁慶を演じて1000回を達成する「勧進帳」が10月15日午後7時から、奈良・東大寺大仏殿前で上演される。1958年に16歳で初演して以来、50年…

劇評

歌舞伎:秀山祭九月大歌舞伎(歌舞伎座) 奥行きもって盛綱描いた吉右衛門 吉右衛門が昼夜で大役3役を演じ、成果をあげている。 〜中略〜 夜の序幕が「盛綱陣屋」。吉右衛門が武将としてのあり方と情の間で揺れる盛綱を奥行きをもって描き出した。芝翫(し…

インタビュー

新秋九月大歌舞伎:時蔵が15年ぶり尾上を演じ、海老蔵が実盛と義賢の2役 東京・新橋演舞場の「新秋九月大歌舞伎」が1日に始まった。中村時蔵、市川海老蔵、市川亀治郎らの出演で、昼の部(午前11時)は「源平布引滝」と「枕獅子」、夜の部(午後4時半…

9月歌舞伎公演二題

歌舞伎:来月、中規模劇場でも─三越劇場、赤坂ACTシアター 9月の東京では、歌舞伎座、新橋演舞場という大劇場以外に中規模の三越劇場、赤坂ACTシアターでも歌舞伎公演が行われる。【小玉祥子】 ◇中村橋之助、片岡孝太郎ら「ぢいさんばあさん」など−−…

雀右衛門丈誕生パーティー

楽屋ばなし:中村雀右衛門 米寿を祝う会で元気な姿 「四世中村雀右衛門の米寿を祝う会」が88歳の誕生日の20日、東京都内で行われた。正月の歌舞伎座公演「女五右衛門」で真砂路を演じて以来、2月の松本白鸚(はくおう)二十七回忌追善公演の「口上」に…

劇評

歌舞伎:八月納涼大歌舞伎(歌舞伎座) 福助と扇雀がおもしろくも不気味 恒例の3部制での公演。 〜中略〜 3部の最初が「紅葉狩」。勘太郎の更科姫が、動きが美しく格調高い踊りを見せる。橋之助の維茂が豪快。続いてオペラ「アイーダ」に材を得た野田秀樹…

インタビュー

Crossroads:秀山祭 二代目吉右衛門が三つの大役 ◇9月の歌舞伎座、初代の芸に対する志受け継ぎ 9月の歌舞伎座で3回目の「秀山祭」が催される。秀山とは大正、昭和の歌舞伎界の名優、初代中村吉右衛門の俳名(俳句を作るときの名前)。その芸に…

二十一世紀歌舞伎組:「新・水滸伝」上演 林冲を演じる市川右近 市川猿之助門下で組織する「二十一世紀歌舞伎組」が18日から東京のル・テアトル銀座で、中国の古典に題材を取った「新・水滸伝(すいこでん)」(猿之助演出・美術原案、横内謙介脚本・演出…

『愛陀姫』

野田秀樹さん:オペラ「アイーダ」元に「野田版 愛陀姫」上演─8月、歌舞伎座 ◇3作目の歌舞伎演出 邦楽器でヴェルディの曲演奏 野田秀樹作・演出の「野田版 愛陀姫」が、8月歌舞伎座の「納涼大歌舞伎」3部(9〜27日、午後6時15分から)で上演される…

大銀座落語祭ファイナル

大銀座落語祭:最後の開催、過去最高5万5000人動員 来年10月には宮崎で 落語界の活性化と東西交流の促進を目指し、毎年7月に東京・銀座で開かれてきた「大銀座落語祭」が、「当初の目的を達成した」として終了した。5回目の今年(17〜21日)は…

親子で楽しむ歌舞伎

親子で楽しむ歌舞伎:27?29日に日生劇場で 「櫓のお七」と「馬盗人」上演 東京・有楽町の日生劇場は27〜29日、「親子で楽しむ歌舞伎」公演を行う。坂東三津五郎らの出演で、「櫓(やぐら)のお七」と「馬盗人」の2演目を上演する。 〜後略〜 毎日新…

『囃子の会』

楽屋ばなし:亀井忠雄、田中佐太郎 来月2日に「囃子の会」 能楽囃子(はやし)葛野(かどの)流大鼓方で人間国宝の亀井忠雄と歌舞伎囃子田中流の田中佐太郎の夫妻が主催する第6回「囃子の会」が、8月2日午後4時半から東京・歌舞伎座で開かれる。豪華な…

劇評

歌舞伎:七月大歌舞伎(歌舞伎座) 女性の悲しみを描き出した玉三郎 昼は「義経千本桜」から「狐(きつね)忠信」が活躍する3場面を上演。狐忠信は海老蔵。 〜中略〜 夜は泉鏡花作品2題。最初が「夜叉(やしゃ)ケ池」(玉三郎監修、石川耕士演出)。池の…

『義経千本桜・忠信編』

more楽:歌舞伎の「義経千本桜」 人とキツネの演じ分け 歌舞伎の「義経千本桜」が東京・国立劇場で上演されている。東京・歌舞伎座でも近く上演がスタート。両劇場とも長い作品の中から、武将の佐藤忠信に化けたキツネが活躍する「狐(きつね)忠信」の…

『すずめ二人會』

記者が選ぶ今週はコレ!・シアター:芝雀と正雀の「すずめ二人會─夏の巻」 歌舞伎俳優の中村芝雀と落語家の林家正雀による第3回「すずめ二人會(かい)−夏の巻」が7月4日、東京都台東区の全生庵で開催される。 三遊亭円朝の怪談噺(ばなし)の傑作「怪談…

劇評

歌舞伎:夏祭浪花鑑(シアターコクーン) 人間の情念の爆発見せた勘三郎 ベルリンとルーマニアで上演した作品の凱旋(がいせん)公演。串田和美演出・美術。 「お鯛茶屋」からの通しで、発端に団七のけんかによる入牢(ろう)の経緯を補足している。上演2時…

劇評

歌舞伎:六月大歌舞伎(歌舞伎座) 鬼気迫る吉右衛門の花道の出 〜中略〜 夜の最初が「すし屋」。吉右衛門の権太は前半でならず者らしいすごみを出し、手負いとなって心情を明かす後半との差異を際立たせる。最期にはすべてが徒労に終わった悲しみを見せた。…

泉鏡花の世界と七月大歌舞伎製作発表記者懇親会

Crossroads:泉鏡花作品 この夏舞台で連続上演 ◇「婦系図」と「夜叉ケ池」など、魅力は聖と俗の対比 幻想作家として名高い泉鏡花作品の上演が続く。今月は東京・新橋演舞場の新派公演の昼の部で「婦系図(おんなけいず)」(29日まで)。来月は…

インタビュー

歌舞伎:幸四郎が対照的な2役 「新薄雪物語」の兵衛、「生きている小平次」の太九郎 ◇完璧な人間と人殺し−−歌舞伎座 松本幸四郎が6月の歌舞伎座に出演し、2役をつとめる。昼の部で義太夫物の大作「新薄雪物語」の園部兵衛、夜の部で鈴木泉三郎作の新歌舞…

インタビュー

ひと:中村芝翫さん=日本俳優協会の新会長に就いた ◇中村芝翫(なかむら・しかん)さん(80) 「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の政岡、「京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)」の花子などを得意とする現代歌舞伎屈指の立女形。中村…

インタビュー

歌舞伎:片岡孝太郎が「神霊矢口渡・頓兵衛住家」のお舟 2年間の経験生かし再演 ◇女形で暴れられる役、演じていて楽しい 片岡孝太郎が6月の国立大劇場・歌舞伎鑑賞教室で「神霊矢口渡・頓兵衛住家(とんべえすみか)」のお舟を演じる。 お舟は矢口の渡し守…

劇評

演劇:わが魂は輝く水なり(シアターコクーン) 圧倒される清水の詩的言語の厚み 副題に「源平北越流誌」とある通り、源平合戦の時代に題材を取っているが、単なる歴史劇ではなく、集団や戦いが持つ狂気など現代の問題に鋭く迫る作品だ。1980年に清水邦…

三響會

more楽:能楽、歌舞伎、日本舞踊がコラボする「三響会」 囃子中心の舞台創造 囃子(はやし)を中心に能楽、歌舞伎、日本舞踊の名手たちがコラボレーションする「三響会」が人気を集めている。能楽大鼓方葛野流(おおかわがたかどのりゅう)、亀井広忠▽歌…

劇評二題

歌舞伎:團菊祭五月大歌舞伎(歌舞伎座) 好配役で見ものの白浪五人男 團十郎(だんじゅうろう)、菊五郎が、昼夜に出し物をし、顔を合わせる。 一番の見ものは夜の「青砥稿花(あおとぞうしはなの)紅彩(にしき)画(え)(白浪五人男)」の通し。菊五郎の…

インタビュー

歌舞伎:菊五郎が4年ぶり弁天小僧 分かりやすい丁寧な通し、五代目のように派手に 尾上菊五郎が東京・歌舞伎座の5月夜の部で「青砥稿花(あおとぞうしはなの)紅彩(にしき)画(え)(白浪(しらなみ)五人男)」の弁天小僧を演じている。 初演は1965…

会見

楽屋ばなし:中村勘三郎 ベルリンなどで団七演じる 「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」(串田和美演出)の団七を5月にベルリンとルーマニアのシビウで演じ、6月には東京・渋谷のシアター・コクーンで公演する。 「なんとか向こうで評価をいただきた…

インタビュー

歌舞伎:新橋演舞場で「四谷怪談」上演 お岩役の中村福助、念願かない挑戦 鶴屋南北の怪談ものの傑作「東海道四谷怪談」が、5月の新橋演舞場・夜の部で上演される。中村吉右衛門の民谷伊右衛門=写真左、中村福助のお岩で、ともに初役だ。【小玉祥子】 ◇民…

インタビュー

楽屋ばなし:柳家喬太郎 長丁場の生放送に挑戦 柳家喬太郎が今月から、ゴールデンタイムの生放送に挑戦している。BSイレブン(BSデジタル)の「大人の自由時間・喬太郎の気楽に粋ましょう!」(毎週木曜午後7時から)。2時間45分の長丁場の番組だ。 …